キャリア・カウンセリングとは
一般的には「キャリア・カウンセラー」や「キャリア・コンサルタント」、あるいは「キャリア・アドバイザー」などと呼ばれている人が、就職を希望する人に対して、さまざまな相談支援を行うことを「キャリア・カウンセリング」としているようですが、実際は様々な見解の相違があるようです。
これはあくまでも、私の体験と他の人から聞いて結論づけた個人的見解ですが、「キャリア・コンサルタント」と「キャリア・カウンセラー」と「キャリア・アドバイザー」は明らかに違うと思います。
例えばハローワークや人材バンクなどの職業紹介窓口で働いている人は「キャリア・コンサルタント」で、「キャリア・カウンセラー」ではありません。彼らは一応簡単に話を聞きますが、短い時間で業務をこなさなければならないこともあってか、就職先を紹介することや説明などの事務的対応に時間をかける比率が高いようです。時間をさいて相手の話をじっくり聴くことは、難しいように見受けられます。「キャリア・カウンセリング」ではなく、少しばかり傾聴の姿勢がある「ご用聞き」です。
実際、私が予約して相談に行ったときの担当者は、私が少し話しただけで、本人の経験で指導したがる人が多く、対話というより指導(ティーチング)のような感じでした。話す量が、相談者の私より相談員の方が圧倒的に多かったです。
人材派遣会社の担当者においてはもっと顕著です。足場を派遣先の会社に置いているせいなのか、面接では一応聞いている振りをしていますが、カウンセリング・マインドを持って対応しているとは思えなかったです。本音は派遣先の会社の意向に沿うことしか考えていないようです。「キャリア・カウンセラー」でも「キャリア・コンサルタント」でもない、まさに「キャリア・アドバイザー」です。
「キャリア・カウンセリング」に一番近いものは、再就職支援会社(アウトプレイスメント)の相談支援です。本格的なスキルを身につけている人が多く、しっかり傾聴してくれますし、コーチングなどのスキルを使って相談者が前進できるように支援してくれます。気になる点は、整理解雇する予定の大企業が取引先になっているところが多いらしく、個人を相手に契約し、相談を受け付けてくれるところはあまりないようです。受け付けてくれたとしても相談料金が非常に高いので、少し敷居が高く、中小企業に勤めている人にとっては、あまり馴染みがないところです。
結局、相応の対話スキルを持って傾聴し、問題解決や人生全般のことを一緒に考えてくれて、なおかつ適当な料金で「キャリア・カウンセリング」をしてくれるところとなると、個人で運営している所が一番良いと思います。個人のコーチやカウンセラー、セラピストがオススメです。
厚生労働省による「キャリア・コンサルティング」の定義
「個人が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練等の職業能力開発を効果的に行うことができるよう、個別の希望に応じて実施される相談その他の支援」(厚生労働省ホームページより)